アフターピルとは
アフターピル(緊急避妊薬)は、何らかの原因で避妊に失敗した場合や、避妊しない性交渉をした場合に、妊娠の成立を妨げる薬です。アフターピルは、妊娠の成立を防ぐために、問題のあった性交渉後できるだけ早く服用することが重要です。
アフターピル「処方」「販売」「輸入」の違い
アフターピルは医師から処方を受ける「医療用医薬品」です。医薬品などの有効性、安全性を確保するために設けられている薬機法に定められています。このため、ドラッグストアなどの店頭で風邪薬のように購入することはできません。基本的は産婦人科などで診察・処方を受けることになります。しかしこの薬を取り巻く環境から、処方箋なしで買えるよう制度を変えるための調査として「緊急避妊薬試験販売」が行われていますが手続きは煩雑で、2025年現在では限られた範囲にとどまっており状況も流動的です。また、アフターピルの個人輸入代行業者から購入したものの使用は、自分の身体を重大な危険に晒す行為です。
オンライン処方 | 試験販売(薬局) | 個人輸入代行 | |
診察有無 | 要診察(診察料不要) | 薬剤師と面談ほか諸条件 | 通販サイトで「購入」 |
費用目安 | 6,500~7,000円 | 7,000~9,000円 | 価格はまちまち |
入手場所 | 自宅などどこからでも | 非常に限られた地域 | 自宅などどこからでも |
認可有無 | 厚生労働省承認薬 | 厚生労働省承認薬 | 海外の承認薬か不明な薬 |
救済制度 | 副作用被害救済制度の対象 | 副作用被害救済制度の対象 | 使用は完全に自己責任 |
青森県でアフターピルの処方を受けるには
全国的に産婦人科医の漸減が進むなか、青森県内での産科医師数は*10万人当たり43.1人であり、青森・弘前・八戸圏以外では診療へのアクセスが良好であるともあまり言えません。アフターピルの緊急性も考慮すると、住まいの場所を選ばずに、厚生労働省が認可する薬剤を迅速に処方するオンライン診療を選ぶこともひとつの方法です。
*産婦人科の資格を持つ主たる医師数(15~49歳女性人口10万人比)厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査」2020年による
アフターピルの服用方法
アフターピルは、とにかく早くに服用することがすすめられます。もっとも効果が高いといえるのは問題の性交渉のあったタイミングから72時間以内ですが、最大で120時間(5日間)以内に服用することでもある程度の効果が期待できます。ただし、時間が経過すればするほど効果が低くなります。
服用タイミング |
妊娠率 |
妊娠阻止率 |
性交後1~3日 (0~72時間) |
1.34% (16/1198) |
84% |
*ノルレボ錠添付文書による
当クリニックで処方するアフターピル
ノルレボ
ノルレボは、レボノルゲストレル(プロゲスチン)を含むアフターピルです。1回1錠を出来るだけ早く服用します。排卵を遅らせるか、受精を妨げることで妊娠を防ぐ作用があります。
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ノルレボ錠 1.5mg | あすか製薬 |
レボノルゲストレル
ノルレボのジェネリック(後発薬)はレボノルゲストレルです。使用方法はノルレボと基本的には同じです。
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レボノルゲストレル錠 1.5mg | 富士製薬工業 |
アフターピルの効果と副作用
効果
妊娠を完全に防ぐわけではありません。しかし、この薬の使用時は妊娠のリスクをかなり減少させることができます。服用が遅れるにつれその効果が低くなるため、早期に服用することが非常に重要です。
副作用
一時的に副作用が出ることがありますが、通常は軽微で一時的なものです。次の表のような症状が含まれます。ただし、このうち吐き気がひどく、服用したアフターピルをすぐに吐き出してしまった可能性がある場合は、追加で服用する必要性がある場合がありますので、この場合はすぐに医師に相談して下さい。(概ね2時間以内に嘔吐したとき)
アフターピル 主な副作用 | ||
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アフターピルを使用時の注意点
作用の個人差
アフターピルは完全に妊娠を防ぐことはできません。身体の状況や、アフターピルを服用したタイミングによって成功率は異なります。
避妊薬(低用量ピル)の代替品ではない
アフターピルは、一般的な避妊方法(低用量ピルやコンドームなど)の代わりとして使うものではなく、あくまで緊急時の対応手段です。しばらく子供を持つ予定のない場合は、アフターピル以外での避妊を行う必要があります。
繰り返し使わない
アフターピルは緊急避妊薬であり、繰り返し使用することは避けるべきです。子供をつくる気持ちがまだない時は、アフターピル以外でより安全で効果的な避妊方法をとることが推奨されます。
なるべく早い服用が必要です
アフターピルは、妊娠を防ぐための緊急避妊薬です。問題が発生したら、何より早く服用することが重要。しかし避妊に失敗したくないときは、自身の身体のためにも、より確実性のある、アフターピル以外の避妊法を選ぶことが大切です。
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